私は昨日殺された。
敵国の爆撃でしっかり殺された。
敵国のリーダーが言うことには、
私は歴史上最も邪悪な人物の一人だそうだから、きっと殺されても仕方がない。
私が殺されたのと同じとき、私の娘も殺された。娘婿も殺された。
私の娘と娘婿、邪悪な私の子息なのなら、彼らが殺されたのも仕方がない。
私が殺されたのと同じとき、私の孫も殺された。
まだ幼い孫だけれど、邪悪な私の孫なのだから、やっぱり殺されても仕方がない。
私が殺されたのと同じとき、私の部下らも殺された。
彼らの死には私にも責任があるのだろう。
でも、邪悪な私の部下なのだから、殺されたのも仕方がない。
私が殺されたのと同じ日に、我が国国民にもかなり多くの死者が出た。
その中には、地方都市の女子小学校での100人以上の生徒の被害も含まれている。
彼女たちになんの罪があるのかとは思うけれど。
でも我が国の国民なのだから、どうしたって殺されても仕方がない。
家族の嘆きも、仕方がない。
私が殺された後、我が国は報復のミサイルを何発も発射した。
報復のミサイルは、敵国の軍事基地がある周辺国に到達し、
そこでやはり何人もの犠牲者を生んでいる。
だって基地があるのだから、仕方がないではないですか。
防衛システムが完備している敵国では、我が国の報復ミサイルの多くは迎撃された。
それでも強固な防衛システムの隙間をぬって着弾した数発のミサイルがあって、
民間人が数人死んだ。
私が殺したかったのは敵国のリーダーたちなのだけれど、ミサイルは彼らには届かない。
そして、代わりに民間人が生贄になる。
彼らの死は残念なことだけれど、戦争なのだからそれもやっぱり仕方がない。
いつものことだ、仕方がない。
殺し合いはまだ続く。
敵国のリーダーは、我が国へのさらなる攻撃を宣言した。
強力な軍事力を持つ彼らのことだから、
その攻撃で我が国の国民の死者は間違いなく増えるだろう。
我が国の国民ならば、それも仕方がないことだ。
我が国の抵抗も、まだしばらくは続くだろう。
我が国の抵抗で、敵国側にも死者は出る。
先に攻めてきたのはあちらなのだから、そんな死者が出るのも仕方がない。
我が国の報復にも理解を求めたっていいはずだ。
敵国の同盟国にも戦禍が広がることもあるだろう。
敵国リーダーの呼びかけで、戦争に加担する同盟国があるかしら。
さすれば、その同盟国の国民にもきっと死者が出るだろう。
でも、戦争なのだから、それもどうしたって仕方がない。
私は昨日殺された。娘も娘婿も孫もみんな一緒に殺された。
女生徒たちも殺された、我が国だけで何百人も殺された。
敵国にしてみれば、彼らの文明を守るためなのだから、どうしたって仕方がない。
我が国にしてみれば、我らの文明を守るためなのだから、犠牲が出るのも仕方がない。
たくさんたくさん殺される。戦争だから仕方がない。
それぞれの正義のために、殺し合うのも仕方がない。
我が神のために、殺されるのも仕方がない。殺すのだって仕方がない。
あなたも明日殺される。
平和のためなら仕方がない。
未来のためなら仕方がない。
あなたが死ぬのも仕方がない。
あなたの娘と孫が殺されるのも、仕方がないったら、仕方がない。



















突然のミサイル爆弾の学校への着弾で罪なき幼き生徒が教科書の上に自らの血を流して犠牲になるなんてあまりに酷過ぎる。この小学校も目標から数㎝と外れないミサイルによって狙われたに違いない。野球帽をかぶったあの爺はせめて自分の娘婿が、自分の孫がミサイルで吹き飛ばされる風景を想像してから下劣な言葉を繋ぐがよい。
とにかく誰もが即時に人殺しをやめてほしい。