coffeeのある生活

挽きたての豆で、淹れたてのコーヒー、その香りをどうぞお楽しみ下さい。

コーヒー、ぼくは浅煎りの豆を濃く入れるのが好き

 「生活」シリーズ、今日はコーヒーです。題字では、コーヒー、珈琲、どっちを使おうかなぁと迷いました。迷った末、選んだのはcoffee。どうも、今のぼくにはこの字が一番収まりがいい感じがしちゃったのです。とにかく、コーヒー、毎日の生活で、ぼくには大事な存在です。

 新しい赴任地に到着して、まず勤務先を確認しますよね。その場所で、どうやってコーヒーを飲むのか、とても重要な事項です。コーヒーは可能ならその場で挽いて、それがダメなら挽いた状態のもので、そこでドリップして飲みたいなぁ。事務所であれば、コーヒーメーカーでOKです。
 豆は、現地のスーパーで購入できるもので大きな問題はありません。でも、海外に出るときは、日本で買った豆をかばんに一袋、200gかなぁ、は入れていくことが多いです。

 ぼくは浅煎りの豆が、深入りよりも好みです。苦味よりも、酸味、フレッシュな感じのほうがいい。深入りが嫌いなわけではありません。けれど、入手できるなら、浅煎りがいい。浅煎りを濃く入れたい。
 ところがこの浅煎り、海外ではむしろ少数派です。たとえば、カンボジア。カンボジア産の豆も楽しむんですけれど、これはほぼ100%深入りです。カンボジアでは、この深入りコーヒーにミルクを入れて飲むことが多い。カンボジアよりもコーヒーで有名なのは隣国ベトナムです。今やベトナムは、ブラジルに次いでコーヒー豆の生産量は世界第2位。このベトナムも深入りが一般的で、カンボジアはその影響を強く受けています。
世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移 – Global Note
 だから、日本に帰ると、カンボジアではほとんど出会えない浅煎りのコーヒーがより一層美味しいと感じます。で、ついつい日本からの自分へのお土産に浅煎りコーヒーを選んじゃうのです。

コーヒーで世界一周!

 コーヒーの産地は赤道を挟んでぐるっと世界を回っています。
 エチオピア、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジという東アフリカ勢の豆は酸味が特徴のものが多いようです。西アフリカはコーヒーではなくてカカオ、チョコレートの生産地が多いですね。

 大西洋を渡って、中米。コスタリカ、エクアドル、キューバ、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、エルサルバドル、コロンビア、メキシコ。中には、町に暴力があふれ、そこから逃れるために北米を目指す人が多くいるような国もあります。ここらで出てくる国名は、ぼくには馴染みがないものが多いのです。まだどこにも足を踏み入れていません。エルサルバドルは、長倉洋海さんが通い詰めて写真を撮っておられます。コスタリカの軍を持たないという政策も有名ですね。キューバの音楽も良さそうですし、ジャマイカのレゲエも生聞きしたい。中米、行ってみたいなぁ。

 太平洋に漕ぎ出せば、まずは以前、ガラパゴス産の豆を見つけて飲んでみたことがあります。ガラパゴスで思い出すのは、カンボジアでの生物現職教官へのM先生の進化に関する授業のこと。ダーウィンの有名なエピソードのひとつ、ガラパゴス諸島のフィンチという鳥の嘴の形態について話して、そして「ガラパゴス諸島って知ってる?」と質問してしまったM先生。あ=地雷を踏んだと、ぼくは横で聴いていて思いましたね。残念なことに、授業に参加してくれた生物教官たちは「ガラパゴス…?」というリアクション。あわてて大きな地球儀をもってきてM先生に渡して、M先生がダーウィンの航路を説明して…、授業時間が予定よりも大きく超過してしまったのは、言うまでもありません。2004(平成16)年ごろのことです。当時は、地球儀でカンボジアを探すのもなかなか難しい、そんな教官が少なくありませんでした。だって、地球儀なんてそれまで見たことないんですもの、しょうがないです。おそらく、今は地球儀でカンボジアを示せる若者はかなり増えているはずです。ガラパゴス諸島は、うーん、怪しいかなぁ。そんなことを思い出しながら飲むガラパゴスのコーヒーはすっきりあっさりという持ち味でした。
 そして、ハワイ。ハワイ産のコーヒーは大きな豆で…、ちょいお高い。私は一度ハワイ島には行ったことがあるのです。4千メートルを超えるマウナケナ山にも(バスで)登りました。ハワイコナと呼ばれるコーヒーを飲むと、そのことを思い出します。

 さらに太平洋を西に進むと、パプアニューギニア、インドネシア、東ティモールという産地に到着します。さらにインドシナ半島に飛んで、ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ
 以前、カンボジアで生豆を買って日本に持ってきて、近所の自家焙煎をする珈琲屋で焼いてもらったことがありました。コーヒーの目利きでもある店長によれば、「まだ、うちの店じゃ売れない」とのこと。ピッキングがちゃんとできてないとも言われてしまいました。浅煎りする豆じゃないと、結局カンボジア同様に深入りで「牛乳と一緒に飲むといいですよ」ということでした。その後、カンボジアの豆、どうかなぁ、質は上がっているのかなぁ。

 インド洋を渡ったら東アフリカで、地球一周がとりあえず終了です。いろんな産地のコーヒーを飲みながら、その産地に思いを馳せる、そんな飲み方を楽しんでいます。

コーヒー一杯の値段

 以下、先日出版した『超えてみようよ!境界線』(かもがわ出版)より。

 ぼくは大のコーヒー好きだ。そしてルワンダはコーヒーの産地だ。
 乾季の七月に、見渡しのいい場所から開けた谷を見下ろして眼をこらすと、茶色っぽい大地のところどころにそれほど大きくないぼやっとした白い塊があるのに気づく。近づいてみるとそれはコーヒーノキの畑で、コーヒーノキの枝いっぱいに白い花が咲きこぼれているんだ。どのコーヒーノキ畑もそれほど大きくはない。せいぜい数十本くらいの畑が普通で、それぞれの木は人の身長より少し高い程度。その木の枝に白い小さな花がみっしりとつく。それが遠くから見ると、まるでおぼろのような、(もや)のような、白くやわらかい光を放つ。初めてこのコーヒーノキの花がつくる密かに季節感を刺激する景色に気がついたときは、とても得をしたような気持ちになった。

 〝コーヒーノキ〟というのは、コーヒー豆を収穫する植物の正式和名だ。おそらく〝コーヒーの木〟の音をそのままあてたのだろうけれど、ちょっと変わった名だ。
 このコーヒーノキの実の果皮は熟すと濃く深い赤色となる。その果皮とその下の薄くほのかに甘い果肉を取り除いた後に残る種がコーヒー豆で、あれはマメ科の豆ではない。ドイツさらにベルギーの植民地だった二〇世紀前半に、輸出産品として植民地政府が各農家にコーヒー豆の生産を義務付けたのが、ルワンダでのコーヒーノキ栽培の始まりだそうだ。コーヒー豆は今でも総輸出額の四分の一を占める、ルワンダの主要輸出品のひとつだ。
 でもコーヒーはルワンダの人たちが昔から親しんできたものではない。今でも多くの人たちはコーヒーを日常飲むことは多くない。ぼくはルワンダで働き始めるとすぐに事務室にコーヒーメーカーを置いて、毎日ルワンダコーヒーを淹れて飲んだけれど、ルワンダの同僚たちが楽しむのはコーヒーではなくて紅茶(こうちゃ)のことが多かった。

 ある記事(「世界に誇るルワンダコーヒー!海外青年協力隊を終えてもコーヒー事業に関わり続ける現地インターン生が考える」@Africa http://atafrica-media.com/archives/549)によれば、ぼくたちが日本で飲むコーヒーの価格は、ルワンダの農民がコーヒーノキ栽培から得る収入の一五〇倍になるという。たとえばカフェで一杯三百円のコーヒーを頼めば、そのうち二円だけが農民の収入になるわけだ。生産者以上に中間業者が儲ける流通システムはコーヒー豆だけではなくて、チョコレートの原料となるカカオや、胡椒といった嗜好品、さらには果物、米、綿花など途上国で作られる多くの一次農産品、さらには鉱物のような天然資源に共通している。それに対して先進国の非営利団体らがフェアトレード―――貧困を生まない公正な価格で途上国の原料や製品を取引する国際協力の仕組みのひとつ―――を進める動きも広がっている。けれど、富める国と貧しい国の貧困格差は、依然として大きいままだ。

 農産物の輸出入と〝公平〟さらに〝安全〟という課題は、ぼくたちの日常生活にも密接に関係している。たとえば、日本でも、米の輸入をどれだけ解禁するかという議論がある。消費者からすれば安いほうがありがたいし、生産者なら高く売りたい。日本ならスーパーで買う日本米の値段は一キロ三〇〇~五〇〇円ぐらいだ。多くの途上国で米の値段は日本の一〇分の一程度だろう。米国でも半額ぐらいだ。海外の安い米が入ってくれば、日本の稲作農家の競争力は高いとはとてもいえない。一方、日本が海外の米を大量に買いだすと、米の国際価格は上がり、それが米輸入国の庶民を苦しめるという説もある。
 ぼくの大学時代の先生は、安全かつ十分な食料確保は基本的人権の一部で、農産物の多くは〝地産地消〟をできるだけ目指すべきだと、会うたびにぼくたち元教え子に力説する。食料とはエネルギー循環のなかでとらえるべきで、よそにエネルギーが流れ出てしまわないような物質循環系の中で、生産と消費がまわっていくことが望ましい。それなのに、いまや多くの食料が遠距離を移動している。それでは地域に蓄えられてきたエネルギー循環が保てないし、長期保存にふさわしくない生鮮食品を無理して遠距離移動させるために、腐敗防止や輸送中のネズミや虫の食害を防ぐ目的で有毒で本来なら必要ない処理がなされる。環境保全の視点からも、食料の輸出入には慎重になるべきと説く。
 ぼくは、食料生産と消費の国境を超えた相互依存をむしろ進めたほうが、世界の公平と安全に寄与するようにも思う。食料自給率やエネルギー自給率を高めることは、むしろ他国と簡単にケンカできてしまうことにつながるとも思うんだ。生産者と消費者が国境をまたいで互いに必要としあうほうが、国家同士が簡単にケンカできなくなって安心じゃないかな。けれども〝地域のエネルギーを保つ物質循環系〟を大切にするという先生の考えは、そんなぼくの考え方に対する強烈(きょうれつ)反論(カウンターパンチ)だ。
 食料自給をめぐるそんな考えを知って、あなたはどう判断するだろうか。

 世界は開いているけれど、そこにはさまざまな問題も山積みしている。幸せで平和な暮らしが世界に満ち渡るためには、まだまだ多くの知恵と協力が必要で、あなたもそう遠くない先にそんな議論に加わらなくちゃいけない。あわてる必要はないけれど、ぜひ準備をしておいて欲しい。

コーヒーノキの枝にみっしりとついた花 ルワンダ

今日のコーヒーはエルサルバドルから              ヘスースは元気かなぁ

 こんなことを書いてしまって、さて、コーヒー豆の値段です。安いところでは100gで500円を切るような値段です。各地でコーヒー豆栽培農家の得る値段は、そのうちいくらだろう、なんて考えます。ここはやっぱりフェアトレードの精神でいきたい。
 最近インターネットで買っている豆は、生産者がはっきりしています。お店のホームページからは、生産者や産地のコーヒーノキの写真があったり、また豆の洗浄のやり方なんかが説明してある。そして、安くても100gで1000円はします。高いのは、7千円!!!???すごいなぁ、飲んでみたいなぁと思いつつ、200gで2000円ぐらいので、十分に美味しくいただいています。

 今日、先程淹れたのはエルサルバドルのシャングリラ農園で収穫された豆を中煎りしたものです。エルサルバドルでも、「マラス」と呼ばれるギャング組織が強力なネットワークを組織していて、みかじめ料を払わないと殺す、というような脅しが人々の生活を苦しめている。殺害と報復 ギャング「マラス」に揺れるエルサルバドル :朝日新聞GLOBE+ (asahi.com)
 そんなエルサルバドルで、シャングリラ農園は大丈夫なのかなぁ、なんて思いながらコーヒーを飲む。長倉洋海さんが何年にもわたって写し続けた女の子ヘスースたち家族は大丈夫かなぁ。

 

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